EWI ブレスセンサー交換
5月連休の前頃から突然不調になっていたEWI 4000S。
もとよりセンサー類の調整は必須の機材ではあるが、それは生楽器の比ではないデリケートさ。少しずつ自分に適したバランスにしてきたが、さすがに今回は最初から全部調整をし直すこと数回。その内何度かは改善したが、次回スイッチを入れるとまた同様な症状で、トホホ。
諦めて、メーカーに返送し点検修理をお願いした。
メーカーに伝えた症状と修理内容はこれ。まるで合併症のような症状を主にブレスセンサーの交換で治ったというもの。ただし、メーカー返送時の点検では訴えた症状はひとつも再現できなかったとのこと。センサーが取り付けられている基盤周囲の外観から判断したとのこと。
これで思い当たることはただ一つ。これまで演奏後の手入れと称してシリンジと電解水を使ってきた。
その後EWIのブレスセンサーはダイヤフラムを用い、空路は行き止まり構造であるらしいを知る機会があったのだが、この手入れはその後もずっと継続していた。
よくよく考えると、マウスピースはこんな感じで、息の有無と強弱でON/OFFと音量を、そしてビブラートをセンシングしている。当然ながらリードは無い。
中はこんな風になっていて、中央の金属リードみたいなのがビブラートセンサー。これをシリコーンゴムでできたマウスピースを介して噛んだり離したりする。左右に位置する中央に小さな穴の開いたふたつの円筒状のものの右(穴が小さい)がこの先チューブを介してブレスセンサーに接続され、左(穴が大きい)はそのままドレーンパイプに繋がり唾液を楽器の外に導く構造(だと思う)。真中の円筒部はマウスピースを止めるビス穴。
この二つの穴両方に息が入るが、右のブレスセンサーは行き止まりのダイヤフラムで受けて、吐気の有無や圧力の変化をセンシングしていて、余った息や唾液は左のチューブにマウスピース側に彫られた溝を通して排出するようだ。行き止まりの構造故、普通なら右の細い穴には唾液などの水分は満杯にはならない。
EWIは生楽器に比べると異常に閉塞感強く、とても息抜けが悪い。これはブレスセンサーの構造や精度に理由があって、このような構造に落ち着いたのだろうと勝手に思っている。
細いシリンジで勢い良く右の穴にシュッと吹くような清掃は、結果的にはブレスセンサー側に水を微量入れてしまうことだったのかも。そしてメーカーで症状が再現しなかったのはそれが時間が経つにつれて乾燥した結果だろうと思う。
今回は、部品代が5000円、他技術料返送料含め、合計11,865円の出費になったが、今はもとのように調子が戻って満足。やや勉強代を払ってしまったが(たぶん)原因がわかったので良しとする。
その後の清掃方法…ご想像にお任せしますが、構造からヒントを受け発想の転換をして別の方法で実施中。これなら右側に水分が入ることはまずない(筈。
このカテ、久しぶりの更新になったが、以前に発信した清掃情報が理由で同じ問題を起こさないように敢えて公開。
Recent Comments